金沢駅近くに通称「別院通り」という商店街があります。もう何十年もさびれまくっていた商店街でしたが、新幹線が金沢へ来てから急に元気になり新しいお店が雨後の竹の子のように生まれています。そのうちの一軒、居酒屋の「D」で働く若いWさんから英語に関する質問を受けているうちに以下のようなコラムができてしまいました。
Q:金沢駅近くの居酒屋で働く者です。新幹線が来て外国人のお客さんが増え店はうれしい悲鳴ですが、ちょっと困ったこともあります。実は最近一番困っているのが、「付き出し」です。ビールを頼んだ外国人客に付き出しを出すと、これは注文していないと苦情を言われます。英語で「付き出し」は何というのでしょうか。またどうやったらお金を払ってもらえるでしょうか。ついでにメニューの「とりあえず」と「シメ」は英語では何と言うのでしょうか。 T.W
A:う~ん、これはいきなり難問だぁ。確かに「付き出し」は外国人にはわかりにくい風習かもしれません。似たものにオードブル(hors-d’oevre)やアペタイザー(appetizer)がありますが、どれもビミョーに違います。ただ、有無を言わせず有料という点では、外国にも入って座っただけで取られるテーブルチャージ(cover charge)やチップ(tipping)の風習はありますので全く理解できないはずはないのですが。
私としては、日本独特のものは日本語のまま覚えてもらうことをお勧めします。したがって、まず、This is Tsukidashi.(これは付き出しです)と言います。次に、Tsukidashi
is something to go with your first drink.(付き出しは最初の飲み物についてくるものです)と説明します。Hey, I don’t want this. It’s not free, right?(おい、こんなものはいらないぞ。ただじゃないんだろ)と食い下がる客には、It’s not free. But this is the Japanese custom. It’s a must.(無料ではありません。でも、これは日本の風習で、なし、というわけにはいかないのです)と説得します。これでもふくれっ面のままなら、最後の一手。Do in Rome as the Romans do.(郷に入りては。。。)と言ってにっこり笑います。それでも I won’t pay for it.(ぜ~ったい払わねえぞ)と頑張るようなら、仕方ありません。Okay, you win.(わかった、あんたの勝ち)と言ってあきらめましょう。で、日記にはIt’s not my day.(今日は日が悪い)と書きます。ダメ?それではいっそメニューに別々に書き出すというのはいかが?あ、それからメニューの「とりあえず」はStarters、「シメ」はFinishing touchesにしましょう。このStartersの中にTukidashiが入ることになります。
大場昌也
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Email:
bigteeth@aqua.ocn.ne.jp
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